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#あの人のほしい論 by ANA FINDS

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「#あの人のほしい論」シリーズでは、毎回著名人やアーティストをお呼びして、その人の"ほしい"の源泉やその哲学を伺います。
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記事一覧

洋服って、ロマンチック。だけど、化け物さ。(俳優・竹中直人コラム “ほしい”の想い出01)

憧れのコム・デ・ギャルソン……“物欲”というテーマですか…… どうしよう……。 ぼくの大好きな洋服にしますね。 ぼくは『COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)』が昔から大好きです。コム・デ・ギャルソンという音の響きも好き。洋服が好きな人はみんな、ギャルソンにはかならず憧れると思います。 でもね…… 最初の頃、ギャルソンのお店に入るのはとっても緊張したんだ。呼吸をお店の前でしっかり整えて、「さぁ 入るぞ」と心の中でつぶやいてからじゃないと入れなかった。

さまよえる、ほしいもの(作家・椎名誠コラム “ほしい”の想い出02)

ガムテープを知っていますか?海外旅行に出るとなかなか見つからないものはガムテープと安全ピンだ。 いや、おみやげ、という意味ではなく、自分の旅生活の必需品、という意味である。 こまかいところまで行き届いている日本で生活していると、ガムテープなんぞどこでも売っている、とつい思ってしまう。ところが絶対に置いてあるところ、と思いこんでいた「文房具やさん」そのものがヨソの国にいくとなかなかみつからない。 ああいう営業業態は日本だけのモノだったのかもしれない。とじわじわ気がついて

「“ほしい”は恋のような“ときめき”に近いかもしれない」—俳優・竹中直人のほしい論

俳優や映画監督、ミュージシャン、コメディアン、作家…… 表現者としてマルチに活躍する竹中直人さん。デビューから40年を経た現在も、エンターテインメントの最前線でさまざまなことに挑戦し続けています。エンタメが多様化し細分化した現代にあっても、彼の顔を見たことがない人はほとんどいないでしょう。 さて、そんな竹中直人さんは、どのようにして自分の“ほしい”と向き合い続けてきたのでしょうか。ときには熱く、ときには優しく、ちょっぴりシャイでユーモラスな竹中直人さんのほしい論をどうぞ。

天と地の星——砂漠で迷う湖を追って(作家・椎名誠コラム “ほしい”の想い出01)

魅力と謎のあいだ小学生の頃から砂漠が気になっていた。アジアのふたつの砂漠、ゴビとタクラマカンがとくに気になる存在だった。 でも子供—というよりもガキ、と言ったほうがいいくらいの、まあつまりはやっぱりガキそのものが「気になっている」なんていうのはちょっとヘンなんだろうなあ、と自分でも思う。 子供が気になる砂漠はたいていでっかい砂の山がウネウネと続き、毎日まん丸い月なんかが出ているものだろう。そこに王子さまと王女さまがラクダに乗って(ふたつ)並んで歩いている。泣きたいくらい

「“ほしい”という欲求は生きるパワーだ」 —作家・椎名誠のほしい論

業界誌の編集者としてキャリアをスタートさせて、約半世紀。作家、写真家、映画監督として第一線で活躍し、世界中の辺境を冒険し続けたこともでも知られる椎名誠さんは、若い頃から貪欲に自分の“ほしい”を求め続けてきました。 「“ほしい”という思いは、生きるパワーだ」と椎名さんは語ります。 一体、どのようにして自分の“ほしい”と向き合い続けてきたのでしょうか? 椎名さんが“夜のオフィス”として40年以上愛用する行きつけの居酒屋『池林坊(新宿)』にて、ビールを片手に語ってもらいました。