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#あの人のほしい論 by ANA FINDS

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「#あの人のほしい論」シリーズでは、毎回著名人やアーティストをお呼びして、その人の"ほしい"の源泉やその哲学を伺います。
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#ANA

お酒を頼むのは未だに照れるが、酔いが “ほしい”ワケ(俳優・竹中直人コラム “ほしい”の想い出02)

酔うって、本当に楽しいな舞台をやるといつも、高校や大学の同級生が見にきてくれる。終演後にみんなとお酒を飲むのがとっても楽しい。つい最近も、多摩美時代の男友達が舞台を見にきてくれて、みんなで飲みに行ったんだ。昔と違い、みんなタバコをやめてるんだけれど、たまたま入ったお店がタバコを吸えるお店でタバコも置いてあったんだよ。 「久しぶりにハイライト吸ってみない?」ということになって、みんなでハイライトを吸ってみたんだ。お店に置いてある100円ライターで火をつけてね。タバコを吸いな

洋服って、ロマンチック。だけど、化け物さ。(俳優・竹中直人コラム “ほしい”の想い出01)

憧れのコム・デ・ギャルソン……“物欲”というテーマですか…… どうしよう……。 ぼくの大好きな洋服にしますね。 ぼくは『COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)』が昔から大好きです。コム・デ・ギャルソンという音の響きも好き。洋服が好きな人はみんな、ギャルソンにはかならず憧れると思います。 でもね…… 最初の頃、ギャルソンのお店に入るのはとっても緊張したんだ。呼吸をお店の前でしっかり整えて、「さぁ 入るぞ」と心の中でつぶやいてからじゃないと入れなかった。

さまよえる、ほしいもの(作家・椎名誠コラム “ほしい”の想い出02)

ガムテープを知っていますか?海外旅行に出るとなかなか見つからないものはガムテープと安全ピンだ。 いや、おみやげ、という意味ではなく、自分の旅生活の必需品、という意味である。 こまかいところまで行き届いている日本で生活していると、ガムテープなんぞどこでも売っている、とつい思ってしまう。ところが絶対に置いてあるところ、と思いこんでいた「文房具やさん」そのものがヨソの国にいくとなかなかみつからない。 ああいう営業業態は日本だけのモノだったのかもしれない。とじわじわ気がついて

「“ほしい”は恋のような“ときめき”に近いかもしれない」—俳優・竹中直人のほしい論

俳優や映画監督、ミュージシャン、コメディアン、作家…… 表現者としてマルチに活躍する竹中直人さん。デビューから40年を経た現在も、エンターテインメントの最前線でさまざまなことに挑戦し続けています。エンタメが多様化し細分化した現代にあっても、彼の顔を見たことがない人はほとんどいないでしょう。 さて、そんな竹中直人さんは、どのようにして自分の“ほしい”と向き合い続けてきたのでしょうか。ときには熱く、ときには優しく、ちょっぴりシャイでユーモラスな竹中直人さんのほしい論をどうぞ。

天と地の星——砂漠で迷う湖を追って(作家・椎名誠コラム “ほしい”の想い出01)

魅力と謎のあいだ小学生の頃から砂漠が気になっていた。アジアのふたつの砂漠、ゴビとタクラマカンがとくに気になる存在だった。 でも子供—というよりもガキ、と言ったほうがいいくらいの、まあつまりはやっぱりガキそのものが「気になっている」なんていうのはちょっとヘンなんだろうなあ、と自分でも思う。 子供が気になる砂漠はたいていでっかい砂の山がウネウネと続き、毎日まん丸い月なんかが出ているものだろう。そこに王子さまと王女さまがラクダに乗って(ふたつ)並んで歩いている。泣きたいくらい

「“ほしい”という欲求は生きるパワーだ」 —作家・椎名誠のほしい論

業界誌の編集者としてキャリアをスタートさせて、約半世紀。作家、写真家、映画監督として第一線で活躍し、世界中の辺境を冒険し続けたこともでも知られる椎名誠さんは、若い頃から貪欲に自分の“ほしい”を求め続けてきました。 「“ほしい”という思いは、生きるパワーだ」と椎名さんは語ります。 一体、どのようにして自分の“ほしい”と向き合い続けてきたのでしょうか? 椎名さんが“夜のオフィス”として40年以上愛用する行きつけの居酒屋『池林坊(新宿)』にて、ビールを片手に語ってもらいました。